アジリティー(Agility) 機敏,軽快さのトレーニングのことです。静→動、動→静など動きの変化の速さを身に付けます。
最近では、SAQ(Speed・Agility・Quickness)トレーニングという理論も出てきて、これまでのアジリティーの定義も、単に機敏性
だけでなく、クイックネスやスピードなどと、細分化することもあります。ちなみにSpeedとは純粋に直線的な最高速度で、Quicknessとは、初めの数歩の動きで、無駄なく加速できる能力
のことを言います。
ですが、ここではアジリティーを広義にとらえ俊敏性・機敏性・巧緻性(器用さ)などをひっくるめて、スピードや瞬発力などの能力を向上させることを目的としたトレーニングについてお話します。
アジリティートレーニングは、9メートルダッシュとか、一つひとつを見れば一般的ですが、日本のスポーツ界ではあまり体系だてて行われていません。
トレーニングには、大きく分けて、ストレッチ系・ウェイト系・アジリティー系の3つがあるのですが、それぞれ別の働きがあります。これらを、総合的にとりいれてこ
そ、高いパフォーマンスが期待できるのです。この種の考え方をトレーニングに導入して成功したのが、ミュンヘンオリンピックの男子バレーボールチームですが、それ以降は、プログラム一つ
ひとつだけが残り、組み合わせて体系だてて練習プログラムに導入されていないというのが現状です。
■練習メニュー
■ライイング・スピード・ドリル
両腕を頭上に完全に伸ばした状態でうつぶせになり、合図ですばやく立ち上がり、9メートルダッシュします。合図からゴールまでのタイムを計ります。
例えば、フライングレシーブからすばやく立ち上がり次のプレーに備える際の俊敏性を向上させ、タイムを計ることにより向上の度合いがわかります。
■バウンディング(立ち幅跳び)
両足をそろえて立ち、両手を大きく振り上げ前方に(なるべく遠くに)ジャンプし、連続して数回(トレーニング施設の広さによって調節してください。屋外なら20回くらい)行った距離を測定します。
これは、瞬発性とスピードを養うのに優れています。コツは滞空時間を長くすることです。
■バーティカルジャンプ
垂直とびを連続10回行い、到達点のアベレージを算出します。着地時に足を踏み変えたり、2ステップで飛んだりしてはいけません。バレーボールでは、1回に命をかけるようなジャンプも重要ですが、
空中戦に勝つためには、連続して高く飛ぶ能力が必要です。
■ロー・ボックス・プライオメトリック・ジャンプ
トレーニングの分類で、「アイソメトリックトレーニング」「アイソトニックトレーニング」「アイソキネティックトレーニング」というような、「何が違うんだ!!」というものがあり、この「アイソトニックトレーニング」の中に分類される、「プライオメト
リックトレーニング」を利用したトレーニングが、この「ロー・ボックス・プライオメトリック・ジャンプ」です。
プライオメトリックとは、難しい言い方をすると、「伸張性収縮に引き続いて、短縮性収縮が連続的に起こるような筋の活動様式。いわゆる伸張−短縮サイクルを用いたトレーニングのこと」ですが、要は、筋肉が伸ばされながらもそれに抵抗する形で力を入れてる状態から、一気に筋肉を縮めるような動きをすると、単に力
を入れるときよりも大きな力を出せるということです・・・・・分かりにくいですね。(^^ゞ
45〜60センチくらいの箱から飛び降り、着地と同時にできるだけ高く空中に飛び上がります。これも足を踏み変えたり、2ステップで飛んだりしてはいけません。連続して行うと効果的なので、
箱(台)を10個 適当な間隔で配置すると良いでしょう。
しかし、ひざへの負担が非常に高いので、高さや回数を調節して行ってください。大切なことは、飛び降りてひざが曲がった状態から、瞬発力を使
って飛び上がることです。着地して一息ついてドッコイショでは効果はありません。
このトレーニングは、瞬発力を向上させるために旧ソ連や東欧で以前から行われていましたが、日本にはロサンゼルスオリンピック時のアメリカバレーボールチームによって
紹介されました。
■その他
これまで挙げたほかに、皆さんが一般的に行っているダッシュ系やステップ系のトレーニングも、このアジリティートレーニングの範疇に入ります。また、最近では、ロープで作ったはしご(ラダー)
を利用したステップ系のトレーニングや、非常に低いハードルのようなものを使ったり、用具を使ったトレーニングメニューも続々と登場しています。
■まとめ
最近は、プロ野球のキャンプや、Jリーグ、陸上の各種競技などで、今回お話したアジリティートレーニングを行っている風景をよく見ます。スピードやパワーと共に俊敏性や巧緻性は重要です。
ある空間の中に、適切な力とスピードで、正確な位置に身体の一部または全体を動かすことは、スキルの上達にもつながります。