日本国内でも地域によって気温差はありますが、この寒い時期でのバレーボールでは、気をつけておかなければならないことがあります。
しっかりウォームアップし筋肉を暖める。ストレッチはなるべく床に寝そべらず立って行う。などは以前も触れたことがあったと思います。これらは、ケガを未然に防ぐためのものですが、寒い時期には喘息(ぜんそく)も起こりやすいので、チームに喘息をもった選手がいる場合はこれをケアしていかなければなりません。
成人の約3〜4%が喘息を持っているということですので、1チーム平均10人換算で、だいたい3チームに1人は喘息のある人がいると考えられます。これは大きな割合ですので、指導者はあらかじめ選手に喘息の有無を確認しておいた方がよいと思います。
この喘息の中でも、バレーボールプレーヤーにとって問題となるのが、運動誘発性喘息です。これは日常の生活においては、めったに発作は出ず、運動を行った時に発作が出るもので、特に寒い時期に多く起こります。
運動誘発性喘息は、冷たく乾いた空気を吸い込むことで気管が冷やされ、水分を失って発作が起こると考えられています。ですから冬場は特に気をつけなければならないということです。
また、ランニングなどの一定強度の運動後10分以内に起こることが多く、逆に、徐々に運動強度を高めていったり、激しい運動でも2分程度運動やインターバル運動であれば、発作を起こしにくいといわれています。マラソンやサッカー、バスケットなどは一定強度の運動が強いられるので運動誘発性喘息が起こりやすいといえます。
バレーボールはというと、ラリー中は激しい運動ですが、ラリーとラリーの間は休めるインターバル運動に近い競技なので、マラソンなどに比べると喘息を起こしにくいと考えられます。
しかし、練習はというと、連続した運動が必要になりますので、やはり運動誘発性喘息の予防を考えなければなりません。以下に具体的な例を挙げてみます。
- 徐々に運動量を上げていく必要があるわけですから、いきなりランニングをせず、最初はウォーキングから少しずつスピードをアップする。
- 冷たく乾燥した空気を吸い込むことが喘息を誘発するのでウォーミングアップ時はマスクをし、なるべく鼻で呼吸する。
- レシーブやスパイク練習は、5分10分と行うメニューが多いのですが、なるべく2分ほどで区切ってインターバルで行う。たとえば、ワンマンレシーブのとき、Aさんに喘息があるとして、A2分→B5分→A2分→C5分→A2分というふうに工夫します。
- お医者さんの指示があれば気管を拡張させる働きのある吸入薬を運動前にあらかじめ吸入しておく
運動して喘息発作がおこってしまった場合は、運動を中止し、安静にします。多くの場合20分から30分で発作は自然におさまりますが、状況によっては病院で吸入治療などを受ける必要もあります。
こうみてくると、激しい運動はしないほうがいいように見えますが、必ずしもそうではありません。運動誘発性喘息を持っていても、オリンピックに出場しメダルをとった人が何10人もいます(バレーボールに関しては不明ですが)。トップアスリートとして活躍できるほどの激しい運動も可能なのです。大切なことは、喘息をコントロールして発作を起こさないように運動することです。