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■早生まれは損か
有名な「慶應幼稚舎」のホームページの「入試情報 Q&A」とい うコーナーに、「早生まれですが、入学試験の際に不利なことはありませんか? 」という質問が掲載されていました。回答は「入学試験は、生年月日の早生まれ順にグループに分けて行います。 生まれ月による 有利・不利はありません。」ということでした。確かに6歳になったばかりの子供ともうすぐ7歳になる子供では、能力もかなり違い、一律の試験では不公平が生じますね。もし、早生まれなど誕生月を考慮せずに試験を行った場合、合格者は4・5・6生まれの子供が多くなってしまうということが考えられます。

学校の入試ではなく、スポーツに置き換えて考えてみると、1・2・3月生まれの子供は4・5・6生まれの子供と比べると、運動能力や体格が劣り、「レギュラーになれない」「ゲームに出場できない」ことが多くなり、結果として「つまらない」とスポーツから離れていくことが多いのではないでしょうか?

同一年級群内における誕生日の相対的時期が個体に及ぼす影響」という研究でも同じようなことが述べられています。

早生まれは同学年内での競争に不利である。とりわけ、成長初期ほどそのタイムラグの影響は大きい。幼少期から盛んに行うポピュラーな集団スポーツの場合、この影響は顕著に現れるはずである。身体的発育差に起因する運動能力の差は、そのスポーツを好き・嫌いになるに十分であろう。仮に潜在的な運動神経は優れていたとしても、早生まれの子供が幼少期にあるスポーツを体験して、自分が集団内で相対的に下手であることを学習したとしたら、その子供はそのスポーツ競技を積極的に続けるであろうか?おそらく、中学校以降はクラブ活動で他の競技を選ぶに違いない。これは、一種の自然選択である。

日本のスポーツの現状では、小中学校からプロやトップリーグまでの競技人口は右図のようにピラミッド型の構造となっており、ステップアップするごとに、ある程度の人数が離れて行き、最終的にトップレベルで活動する競技者はほんの一握りとなっています。このピラミッド型の構造については、文科省や体協などでも問題点が指摘されており、当サイトでも他のページでお話させていただくつもりですが、このページで取り上げるのは「競技から離れていった人々に、早生まれの人の割合が多いのではないか」ということです。


■ トップアスリートと早生まれ
「Jリーグ・プロサッカー選手における早生まれの影響」という研究では、「Jリーグ全登録選手においては、4・5・6月生まれの選手数は早生まれ(1・2・3月生まれ)の選手数の約2.2倍だった」と報告されています。小学生に人気のサッカーですが、「指導者が目前の勝利を求めるがために体が大きい選手を優先し、発育の遅い早生まれの選手はあまり出場の場を与えられず、結果としてサッカーから離れていく」という構図が推測できます。

これはサッカーに限ったことではないのではないかと思い、プロ野球とバレーボール・バスケットボールについて調べてみました。

プロ野球
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
四半期別(%)
4月 90
5月 99
6月 95
7月 93
8月 87
9月 66
10月 58
11月 47
12月 60
1月 41
2月 37
3月 40

プロ野球では早生まれの影響が顕著に現れています。4・5・6月生まれのプロ野球選手数は早生まれの選手数の3倍弱です。これは、先出のJリーグよりも高い数字です。4月を「1」5月を「2」というように置き換え、誕生月と選手の人数の相関係数を出すと「-0.94」となり、数値の大きさから強い相関関係があるといえます。(データは2003年12球団各HPより)

ちなみに右は夏の甲子園出場選手のデータです。プロ野球よりも顕著な右肩下がりのグラフとなっています。これを見ると高校の段階ではすでにふるいにかけられた形跡が見られます。少年野球やリトルリーグのころから凄まじい競争に打ち勝って活躍する選手は、やはり春から夏に生まれた人が多いようです。(データは朝日新聞HPより)
2004年夏の甲子園出場選手
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 100
5月 110
6月 96
7月 100
8月 85
9月 79
10月 71
11月 61
12月 57
1月 46
2月 44
3月 33

Vリーグ(男女)・V1リーグ(男子)
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
四半期別(%)
4月 35
5月 55
6月 41
7月 43
8月 40
9月 42
10月 29
11月 24
12月 30
1月 28
2月 22
3月 23
バレーボールも4月生まれを除くと右肩下がりのグラフとなっています。野球やサッカーほどではありませんが、4・5・6月生まれの選手数は早生まれの選手数の約1.8倍です。早生まれの選手は確かに少なく、淘汰されているようです。相関係数は「-0.81」で、やはり強い相関関係があります。(データはVリーグ=2004年・V1=2003年)

バスケットボール・スーパーリーグ・日本リーグ(男子)
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
四半期別(%)
4月 28
5月 16
6月 17
7月 21
8月 16
9月 12
10月 17
11月 7
12月 8
1月 12
2月 9
3月 9
バスケットボールは、早生まれというより年の前半と後半で影響が見られるようです。相関係数はバレーボールと同じ「-0.81」で強い相関関係があるといえます。(データは各団体HPより)

ここまで見てきた種目は、文部科学白書〈平成15年度〉によると、中学校における運動部数で上位にランクされる人気の団体種目です(野球:男子1位・バスケットボール:男子2位・バレーボール:女子1位)。団体競技で人気のあるスポーツはそれだけ人も集まりますが、ゲームに出場できる人は限られ、いわゆる補欠が多くなります。成長期における競争率の高い種目」このあたりに早生まれの影響があるのかもしれません。


■ 個人種目の競技人口に早生まれの影響はあるか
団体種目は、いわゆるレギュラーと補欠といった構造があるため、出場機会に恵まれないことがありますが、個人種目ではどうでしょうか。出場枠を設ける大会もありますが基本的に個人種目はオープン参加です。エントリーさえすれば出場の機会は得られます。下はプロゴルファーのデータですが、誕生月と競技人口の相関は見られません(相関係数 0.14:ほとんど相関がない)。
プロゴルファー(PGA・神奈川県登録選手)
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 7
5月 5
6月 4
7月 16
8月 10
9月 10
10月 8
11月 6
12月 11
1月 11
2月 8
3月 7

続いてはスキーです。以下のデータは全日本スキー連盟のナショナルチームメンバーですが、なんとなく早生まれが少ない気がしますね。相関係数でいうと -0.3で「弱い相関がある」と出ました。しかしながら、回帰分析で見るとこの相関は「有意ではない」となっています。

スキー
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 16
5月 22
6月 23
7月 24
8月 19
9月 16
10月 13
11月 19
12月 13
1月 21
2月 18
3月 18

二種目しか見ていませんが、バレーボールや野球などの団体競技とは明らかに傾向が違います。個人競技はあまり早生まれに影響を与えていないようです。


■ 早生まれはコンタクトスポーツを避けるか
団体競技か個人競技」という視点とは別に、「相手と接触する競技種目」という観点から述べた記事もあります。

バドミントンプレーヤーには1月〜3月のいわゆる【早生まれ】が多 い」より抜粋
同じ学年の子ども達は、学校や学級という枠の中で成長していくのだが、体育の授業や友達どうしのケンカなど格闘や接触を伴う行動では、 あきらかに小柄な者は不利である。相撲はいうにおよばずサッカー、バ スケットボールなどコンタクトスポーツも同様である。小学校低学年で 「体が小さく運動能力に劣る」というレッテルを貼られた子どもは、体育が好きでも団体競技ではベンチウォーマーに甘んじなければならな い。小学校低学年で早生まれはハンディなのである。
運動系の部活動を本格的に始めるのは中学からである。その頃には体格 差は目立たなくなりつつあるが、小学校低学年で受けた精神的な傷・・・コンタクトスポーツは苦手という気持ち・・・は完全に治癒しているわけではない。そういう子どもはサッカー、バスケットといった コンタクト競技より、団体競技ならバレーボール、個人競技ならテニス、卓球、バドミントンといったネットをはさむ競技を選択しがちにな る。ネットをはさむスポーツなら自分の側にいる他人は必ず味方である。

上記ページにも、バドミントンのデータが掲載されていますが、ここでは同じネットスポーツのテニスのケースを挙げてみます。(データはJOPのプレーヤー一覧より)サンプル数が少ないので有効性にすこし疑問が残るところですが、これを見る限り早生まれのプレーヤが多いとは言えず、かえって4・5・6月生まれの方が多い傾向を示しています(相関係数-0.53:中程度の相関がある)。バドミントンや卓球などネットスポーツの競技者データは得られませんでしたが、もしかすると他のネットスポーツでは早生まれが多いのかもしれません。

テニス2002年9月時点のJOPランク上位選手
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 8
5月 3
6月 8
7月 8
8月 3
9月 3
10月 9
11月 3
12月 5
1月 3
2月 1
3月 3

次に、最たるコンタクトスポーツ格闘技を見ていきましょう。下は柔道の強化指定選手のデータです。たしかに早生まれの選手は少ないようです。(データは全日本柔道連盟HPより)
全日本柔道連盟 指定強化選手
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 23
5月 35
6月 28
7月 31
8月 29
9月 17
10月 25
11月 17
12月 16
1月 17
2月 11
3月 17

もうすこし格闘技を見ていきます。下は、プロボクサー(A〜C級)のデータと新日本プロレスのデータです(データは各HPより:日本選手のみ)。プロボクサーに関しては無作為に選んだ13のボクシングジムのHPより抽出したものですが、有意な相関関係は見られません。プロレスラーにいたっては早生まれのほうが多い傾向を示しています。
プロボクサー
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 21
5月 17
6月 15
7月 25
8月 29
9月 25
10月 24
11月 22
12月 20
1月 14
2月 23
3月 22

プロレスラー(新日本プロレス関連)
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 4
5月 5
6月 5
7月 5
8月 9
9月 12
10月 8
11月 7
12月 12
1月 8
2月 7
3月 9

ボクシングのデータ
http://www.tctv.ne.jp/kokusai/boxers.html
http://www.sokaarisawa-boxinggym.jp/st1-1.html
http://www.osakateiken.com/syoukai.html
http://www.moriokagym.com/taketazutakashi.html
http://www.miyatagym.com/fighters/fighter.htm
http://www.kyoei-boxing.co.jp/
http://www.kbg.co.jp/
http://www.kadoebi.com/boxing/senshu/champ.htm
http://www.eddiegym.com/
http://www.chikuho1.com/boxing/
http://www.8nakaya-box.co.jp/player/menber.htm
http://home.netyou.jp/cc/ysakura/
http://hccweb1.bai.ne.jp/~hcj83101/file/f_profile.html
これら格闘技種目のデータをみると、柔道には確かに早生まれの影響があるようですが、ボクシング・プロレスに関してはあてはまらず、早生まれの人が必ずしもコンタクトスポーツを避けているということは出来ません。私も1月生まれで体も大きくはなく、相撲で同級生にブン投げられたりしましたが、「もう相撲はいやだ」とはならず、「くそ〜 もう一丁」と何度もチャレンジして相手に嫌がられたものです。早生まれの人がその競技を好きになるかどうかは「負けてばっかり」という事実ではなく、その醍醐味を味わえたかどうかではないでしょうか。そもそもプレーする機会がなければ、楽しむことは出来ず、その競技への興味も失せてしまいます。コンタクトスポーツ・ネットスポーツなど競技の種類にかかわらず、出場のチャンスを得て、勝ったり負けたり、失敗したり成功したりの結果はともかく、その過程において「自分の力を発揮した充実感」や「力及ばず負けてしまった悔しさ」といったものが、次へのモチベーションへとつながるのです。

■ 16歳以降に始めるスポーツと早生まれ
小中学生の時期は、早生まれの影響は大きく、体格面では多少なりともハンデを負っているといわざるを得ません。 北海道教育大学の安納さんの研究によると、小学校5年生男子の平均 身長は4月生まれと3月生まれでは約4センチの差があり、50メート ル走の平均タイムは小中学生の全学年で4・5・6月生まれが1・2・ 3月生まれに勝っており、体格面でも運動能力でも差が見られるとして います。でも、ソフトボール投げではほぼ差は見られなかったとしてい ますので、技術や巧緻性について早生まれは関係ないようです。

では、2次成長のほぼ終わる16歳以降から全員が「用意ドン!」で始めるスポーツではどうでしょう。 「中学校卒業見込みの者および中学校卒業以上の学歴を有する者で、平成17年4月1日現在20歳未満の者。」 これはJRA競馬学校の受験資格です。 競馬のジョッキーは、中学校卒業後、本格的に競馬の技術を練習するわけです。成長の度合いで淘汰されることなく、しかも 小柄な方が有利なジョッキーでは生まれ月の影響はなさそうに思えます。
日本中央競馬会・ジョッキー
誕生月
人数(人)
全体に占める各月誕生人数の割合(%)
4月 7
5月 3
6月 9
7月 12
8月 12
9月 13
10月 15
11月 21
12月 11
1月 11
2月 23
3月 28

予想と違い、かえって早生まれのほうが多いという結果が出ました。これは、想像するに、「小中学生時代に背が低くバスケットやバレーでは活躍できなかったけど、運動能力では負けない」という人が多いのではないでしょうか。ポピュラースポーツやコンタクトスポーツは、小中学生時代に早生まれの影響が大きく、その競技から離れていく早生まれの人が多いが、スポーツ自体をやめるのではなく、他の競技で活躍する人も多いといえるかもしれません。


■ アメリカの早生まれ
「早生まれ アメリカ事情」というHPに、アメリカでは早生まれの子供について、「入学するにはまだ早い」と親が判断する場合には、入学を一年延期することがあると掲載されていました。
 Http://www.fastlane.net/~tandem/mama_diary/Jan98/012798.htm

 「"keep him for football" といって、”フットボールの選手にするために(体が大きい方が良いので)入学を一年遅らせる”という言葉がある」そうで、いかにもアメリカらしいですね。まあ、1年遅れた分は、「飛び級」で取り戻すことも出来ますし、本人もそれほど気にならないのかもしれません。


■ 勝利至上主義と早生まれ
早生まれが淘汰されやすいという悪しき傾向は、成長期のスポーツの勝 利至上主義に起因しています。Jリーグのホームページに以下のような 文章が掲載されています。 Http://www.j-league.or.jp/j100/jidea/main2.html#6
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学校の部活動は、学校を代表するチームづくりを目指すために、能力の劣る生徒は敬遠されがちである。たとえ優秀な指導者であっても、部員が50人もいれば全員に目が届かないからどうしてもレギュラー中心の指導になる。それ以外の生徒はスポーツを楽しむどころか、特に下級生などは球拾いのためにいるようなものになっている。
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勝ち負けはスポーツや遊びの原点です。でもこれに捕らわれるがあまり子供達の未来を奪ったり、ゆがませたりするのは行き過ぎです。Vリーグなどスポーツの頂点に立つプレーヤーに早生まれの選手が少ない事実は小中学校の年代で勝利至上主義がはびこり、早生まれの選手が淘汰されている証拠でもあります。
指導者はもう少しだけ、子供の未来を考える必要があるのではないでしょうか。目の前の勝敗と子供の育成を天秤にかければ、小中学校の年代では後者が重いことは誰の目にも明らかです。


ちなみに、日本の人口そのものに生まれ月のばらつきがあるんじゃないかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、 【厚生省平成11年人口動態調査「月別にみた年次別出生数」】から現在トップレベルのスポーツで活躍している年代であろうと思われる1960年から1985年生まれの人口を5年ごと(1960・1965・1970・・・)にピックアップし、月別に平均を出すと、 以下の通りとなっており、大体25%前後で、ほぼ均等に分散していることがわかります。
4・5・6月生まれ
24.47%
7・8・9月生まれ
25.58%
10・11・12月生まれ
24.17%
1・2・3月生まれ
25.78%



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