目の上のたんこぶといいますかライバル国である韓国は、以前はそれほど
強くなかったのです。それが、どういう経緯を経て日本を追い抜かしたかといいますと、1964年の東京オリンピックまで話はさかのぼります。
当時の韓国は、お隣日本でのオリンピック開催ということで、多数の選手 を出場させました。しかし、思うような結果は得られなかったため、関係
者はソウル近郊に「スポーツ選手村」を設立しました。この選手村は今で 言うナショナルトレーニングセンターのようなものです。
東京オリンピックで優勝した東洋の魔女をみて、体格に恵まれない東洋人が世界に対抗するためには、大松監督のような猛練習しかないと、設立し
た選手村で猛練習を重ね、1976年のモントリオールオリンピックで女子代表は銅メダルを獲得するに至りました。
韓国のスポーツ強化策は、スポーツ選手村設立のほかに、年金制度があり ます。オリンピックで金メダルを獲得すると、年間1,200万ウォン(約120万円)の年金がもらえるそうです(銀メダルは半額)。韓国の都市
勤労者家族の平均年収が2,133万ウォンということですから、比較的 大きな額であると言えます。
シドニーオリンピックに出場した女子チームの監督は「オリンピックに出るだけでは意味がない。メダルを取れば、生涯年金も受けることができる」
と話したと伝えられているとおり、この年金制度は選手のモチベーションをあげていることは確かです。
「スポーツ選手村」にせよ「年金制度」にせよ、国がスポーツをバックアップしていることがよくわかります。なぜここまで力を入れるかというと、韓国のスポーツは、一部の(選手村に入れるような)エリートを中心に支えられているためスポーツ人口の絶対数が少ないからです。バレー部のあ
る高校は数十校しかないそうですし、徴兵制度もあって、選手は慢性的に不足しています。
このようなスポーツ政策で、韓国のスポーツは非常に強くなりました。
98年のバンコク・アジア大会では、団体球技の日韓対決は日本の1勝13敗と、特に日本に対してはムチャクチャ強い韓国ですが、バレーボー
ルについて言えば、FIVB(国際バレーボール連盟)2001年4月の世界ランキング では、韓国男子は10位。(日本は19位)、女子は5位(日本は10位)
となっており、国際大会でメダルに手が届くとは言えないポジションにい ます。
日本もそうですが、豊かな時代に育った若者を猛練習と報奨で強化してい くのは難しいのかもしれません。韓国のエリート選手には、ナショナルト
レーニングセンターなど国のバックアップがありますが、バレーボール全 体を支える一般選手の活動母体は学校や企業であるところは日本と同じです。選手の体格やバレーボールのスタイルもよく似ています。韓国がさら
に上を目指す為の強化策と日本が捲土重来を果たすための施策は、実は同じものなのだと思います。